富士登山を安易に計画しないでほしい理由

世界遺産になった富士山。本当にきれいに見えた時は幸せな気持ちになりますよね。しかし、そのせいもあり、観光地に行くかのように軽装で登ろうとする人たちが絶えません。通行料の徴収と入山者数のコントロールが始まりましたが、個人的には環境維持、安全に備える方々のご苦労を考えると、倍とってもいいように感じてます。ここでは富士山に登るための準備と心得を書きたいと思います。

ルート選びの能力が必要

富士山には6つの主要な登山ルートがあります。各ルートの特徴や難易度を理解して選ばなければなりません。初心者向けには吉田ルートがおすすめと言われていますが、なぜおすすめなのか?、他のコースとの違いは何か?を把握して、自分と仲間にふさわしいものを選びます。

急激な天候変化への対応力

富士山は天山頂と山麓との気温差が大きく、急激な天候変化の日常的に発生します。夏季の富士山山頂の気温は、日中でも0℃~5℃程度です。夏場の地上との気温差は30℃程。8月でも夜間は氷点下になることもあります。Tシャツに1~2枚シャツでも羽織れば・・・という次元ではありません。透湿機能のある登山用ダウンやフリースが必要です。急な風雨への備えも必要になります。富士山は風をさえぎる木々や避難小屋がありませんので、暴風の時は地を這うように耐えしのぐ必要があり、命の危険にさらされます。

【注意】ヒートテックやコットンのTシャツは汗を逃がす機能がないためスポーツには不向きです。生地が吸った汗は寒風で冷やされて低体温症につながるリスクがあります。

非日常の環境に耐えられる体力

登山は体力を要します。十分な体力と万全の体調で挑むことが重要です。
吉田ルートの場合でも、登山口(5合目)から山頂(富士山頂上)までの所要時間は約5〜7時間あります。基本的にはこの時間歩き続けなければなりません。アスファルトの平地を歩くのとは体力の消耗が全く異なり、以下の条件も加わり相当体力を奪われます。とくに子供は高山病になりやすいです。

・一歩踏み込んでも戻される、歩きづらい火山礫の道
・地上と山頂の気温差への適応力(地上30度から0度の世界になります)
・高度が上がるにつれて薄くなる酸素
・気圧の変化と頭痛
・さえぎるものが何もない斜面での強風
・天気が良い時は強烈な紫外線装備

機能や使い方を理解した装備

登山靴、防寒着、ヘッドランプ、飲料水、食料などを準備しましょう。どのアイテムも前日に調達したようなものではダメです。事前に使い心地やフィッティングを行う必要があります。

・登山靴:長時間履いて歩き、足が痛くならないか、靴下の厚さは丁度良いかをチェック
・ウェア:ザックを背負ったとき動きやすいか。気温に合わせてどの順番で着るかをチェック
・レインウェア:天候の急変に備えて上下持ったか。靴を履いたままズボンがはけるかをチェック
・ザック:すべてに荷物を入れるにふさわしい大きさか。各ベルトの調整ができるかをチェック
・ヘッドランプ:電池は切れていないか。暗闇で操作できるかをチェック
・飲料水:上りと下りの時間を考慮し、十分な量かをチェック
・食料:ゴミが多く出ないか、水を大量に使わないか、気温の大きな変化に耐えられるものかをチェック

Webからの事前登録、事前学習

Webからの事前登録と通行料の決済が必要になります。
登山のマナーを学ぶe‐Learningも用意されています。以下の情報をよく読んで登録しましょう。

【吉田ルート】
山梨県富士山吉田ルート通行予約システム

【富士宮ルート、御殿場口ルート、須走口ルート】
静岡県登山事前登録システム

リアルタイムの情報のキャッチ

自然相手ですので、山の上でいつ何が起こるかはわかりません。状況によっては通行止め、通行規制が発生することがあります。
環境省・静岡県・山梨県共同で運用している、富士山オフィシャルサイトで計画時点、前日、当日と、登山に適した条件であるか確認、登山用の天気予報でも山梨側、静岡側両方を確認しましょう。

まとめと怖い話

富士山の素晴らしい絶景を楽しみ、無事に下山するためには最低でも上記の準備とスキルは必須です。前々から計画的な準備と富士山についての知識を持って挑みましょう。

怖い話として、登山の経験に乏しい親が、夏の思い出にと子供を連れてやってくるケースも多いと聞きます。本当に本当に危険なのでやめましょう。子供は体力はあっても高山病になりやすく、頭痛と嘔吐が止まらずフラフラで下山できくなってしまいます。親子で2000mクラスの山で複数回の経験を積んでからチャレンジするようにしてください。

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